留学先でアルバイトは可能?国によって異なる規定や注意点とは
海外留学を考える上で、現地での過ごし方についても考えると思います。その中でアルバイトという体験も視野に入れている方も多いのではないでしょうか。現地の文化や自然に触れることも、もちろん成長につながりますが、就労体験というのも得がたい経験になることでしょう。この記事では留学中にアルバイトすることについて考えていきます。
留学先でアルバイトはできるのか
留学した先でアルバイトをすることはできるのでしょうか?
それは留学をする国や渡航目的、ビザの種類などによって変わります。語学留学での渡航の場合、多くの国で就労は許されていないことが多いので注意が必要です。逆に高校や大学・大学院などを正規のフルコースで学ぶ場合は、条件はありますがアルバイトが可能な場合が多くなります。
ただし、アルバイトをするにあたっては職種に応じた語学力も必要になりますし、学業がおろそかになってしまっては本末転倒です。留学先でアルバイトをする場合は、許された範囲で、学業との両立を考えて、時間や量をコントロールする必要があります。
留学先によって異なる労働の規定
ここからは、留学先の国によって違う労働の規定をご紹介します。ここに挙げたのは、留学先として特に人気の高い国の規定です。
アメリカ
・大学留学生はキャンパス内でのアルバイトが可能
・語学留学の場合、アルバイトは禁止
アメリカでは大学への留学生は、学業に支障をきたさないという条件のもとに、週20時間まで、学校内でのアルバイトが可能です。学内のカフェテリアや図書館などの募集があれば、働くことができます。また大学院生であれば、アシスタントとして教授の補佐をするという学内のアルバイトもあります。なお、語学留学の場合、アルバイトはできないことになっています。
カナダ
・正規コースで学ぶ学生はアルバイト可能
・語学留学の場合、アルバイトは禁止
カナダでは高校生から大学院生まで正規コースで申し込むと、週20時間までアルバイトが可能です。また、大学や専門学校で受講できる特定のコースの中には学生ビザの他に就労許可証がとれるコースがあります。就労許可証を持っている場合は、その専門の分野で就労をすることができます。なお、語学留学の場合、アルバイトは認められていません。
オーストラリア
・学生ビザがあれば、2週間40時間の間でアルバイトが可能
・逆にワーキングホリデーで渡航して語学学校などに通うことも可能
オーストラリアでは、学生ビザを保持していると2週間で40時間までの間であれば、アルバイトが可能です。夏休みなどは、フルタイムで働くことも可能です。語学留学をしたい場合は、逆にワーキングホリデーを利用して渡航することで就労をしながら、最長17週間の就学が可能となります。
ニュージーランド
・学校のカテゴリーによってはアルバイトが可能
ニュージーランドでは、語学学校によってカテゴリーが分けられています。カテゴリー1に所属する信頼性の高い学校に正規コースで申し込んだ場合、週20時間までであればアルバイトが可能です。カテゴリー2に所属する学校に留学する場合、アルバイトは認められていません。
イギリス
・長期留学の場合は、条件付きですがアルバイトは可能
・11か月に満たない留学の場合、アルバイトは不可
イギリスでは、ビザの種類によってアルバイトの可否が決まります。11か月以内の留学用のビザ、または6か月間の学生ビザの場合は、アルバイトが認められていません。長期留学、専門学校・大学・大学院留学に必要な学生ビザの場合、条件はつきますが、就労が可能となります。
留学中にアルバイトをするメリット・デメリット
それでは、留学中にアルバイトをするメリットとデメリットについて見ていきましょう。ただでさえ慣れない環境での仕事ですので、慎重に決める必要があります。
留学中にアルバイトをするメリット
・生活費を稼げる
・現地の生活、現地の社会の中で働く体験ができる
就労をするという体験は、学習では得られない、生の現地の様子を経験することのできる大きなメリットがあります。働く側になって現地の暮らしを感じることはよりリアルな状況を知ることができることでしょう。また収入があるということは長い留学生活でも安心材料になるものです。
留学中にアルバイトをするデメリット
・勉強がおろそかになる可能性
・語学が習得できないこともある
本来は勉強をするために留学をしているにも関わらず、アルバイトが楽しい、居心地が良いなど様々な理由からアルバイトばかりに集中してしまう例もあります。それはそれで貴重な体験ですが、本来の目的が果たせないのは本末転倒になります。また、応募できるアルバイトを探した結果、日本人の多い環境での仕事しかない場合もあります。そういう環境では、生きた語学力を習得できないこともあるので注意が必要です。
留学中にアルバイトするなら気をつけること
留学先でアルバイト経験をしてみたい、と考えた場合、まずは目的を明確にすることが必要です。アルバイトの体験、現地でのリアルな体験を目的とするならば、アルバイトは貴重な経験となるでしょう。しかし、生活費が目的となると注意が必要です。留学した先でアルバイトを見つける場合、言葉の壁があるということ、また勉強の時間を取る必要があることなどを踏まえると、生活費が不足している状況で留学をすることは危険な場合もあります。
留学する前に、十分な費用を作った上で渡航することが、安全に留学の目的を果たせる条件となります。また行った先の就労規則に違反することは、将来の渡航などの妨げになることもあります。生活費を含めて、少しでも稼ぎたいという場合は、現在はクラウドソーシングなどの手段もありますので、無理なアルバイトは避けた方が良いでしょう。
まとめ
この記事では、留学中のアルバイトについてご紹介しました。目的を持って留学したもののアルバイトに時間や労力を取られ、本来の目的を果たせないのはもったいないことです。とはいえ、アルバイトなどから得られる経験は、帰国後の人生を豊かにする、得がたい経験になることも違いありません。留学・アルバイトともに本来の目的を明確にし、貴重な機会を存分に楽しんで、よりよい留学生活、留学経験にすることが重要です。
